2023.0601 薄晴れ
より
●フキノトウ、フキ
どちらもRCT(無作為化比較試験)でエビデンスレベルは高いよ。しかもアレルギー性鼻炎の研究のほうは、フキエキスと抗アレルギー薬(アレグラ)との比較もやっていて、なんと、フキエキスは抗アレルギー薬と同等レベルに効いた。これ、すごいことですよ。「花粉症の薬飲むぐらいならフキを食っとけ」ってことだから。
さらに、癌にも効く。
旬の時期に食べるのが一番だけど、季節ものだから年中手に入るわけではない。必要に応じてサプリで摂るのもいいだろう。
ちなみにフキは英語でbutterbur(バターバー)という。昔はバターをフキの葉っぱで包んだことに由来するんだってさ。
●マダガスカルの大統領(Andry Rajoelina)はコロナ治療薬としてヨモギを主成分とした飲料(COVID Organics)を開発し、国民に広く推奨した。そのおかげで、マダガスカルではコロナによる死者はゼロだったという。
このヨモギ含有のコロナ治療薬に対して、WHOから圧力がかかった。「お前に2千万ドルやるからこの治療薬に毒を入れろ」と言われたことを、大統領が国営放送で曝露した。
こういうプレッシャーをかけるということは、裏返しに見ると、ヨモギがコロナに効いちゃうってことだろうね。
● ヨモギは癌に効きます。
「日本三大薬草は?」という質問に対して、正解は「ドクダミ、センブリ、ゲンノショウコ」らしいのですが、個人的には「麻、まこも、ヨモギ」と答えたとしても全然間違いじゃないと思っている。
ただ、麻は政治がらみで日本から消滅したし、まこもは知名度ほぼゼロだし、かろうじてヨモギが知られてるぐらいだから、「日本三大〇〇」の名称を冠するのは難しいかな。
さて、ヨモギの話をします。
効用をざっと挙げると、胆汁排泄、胃酸分泌促進、利尿、生理不順(無月経、月経困難など)、子宮の健康維持、抗感染症(特にマラリア)、駆虫、神経障害、てんかん、パニックなど。
それも「ちょっと効く」どころではなくて、めちゃくちゃ効きます。
この抗癌作用には、ヨモギ成分のアルテミシニンが関わっている。
まず、癌細胞は内部に鉄がたっぷり溜まっています。増殖するために大量の鉄が必要なので、細胞膜表面に鉄運搬タンパク(トランスフェリン)が大量に発現しています。アルテミシニンは癌細胞の中に入り、細胞内に大量にある鉄と反応してフリーラジカル(活性酸素)を発生し、癌細胞を死滅させます(フェロトーシス;鉄による細胞死)。つまり、アルテミシニンによる癌細胞に対する選択毒性には、鉄をため込みやすい癌細胞の性質が背景にあるということです。